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時に狩りと花束を 1

どうしても・・・どうしてもやってみたくてやってしまいました・・・!

パラレルっていうか、パロディ?
あるゲームを蓮キョ変換させました。
果たして乙女な皆様がご存知かどうか分かりませんが・・・!

ずっと「パーティで一緒に行動させようかなー・・・でもそれじゃあなー」
と悩み続け、突然閃いたこの組み合わせ。

あ、RPGじゃないです。

ちなみに現在プレイ中であります。
2と3の内容ごっちゃでいこうかと。
多少のオリジナル要素はお許しください。
「こんなこと出来ないよ!」とか。


ゲーム知らない方でも大丈夫です。多分!






ドサリ・・・

男の前に、人間よりは幾分か大きな獣が何体も倒れていく。
息一つ乱さず、身の丈よりも遥かに長い太刀を振い、無駄のない動きで獣を仕留めるその様は流麗そのもので、間違いなく強者だと、見るものに感嘆すら与える。
残ったのは獣の長だろう、白く雄大な猪だけだった。
猪は威嚇するようにその身を震わせ、前足で地面を掻き鳴らした刹那―――
その巨体に似合わない速さで、一直線に男に牙を向ける。
男は激しい突進を難なくかわし、そのまま体を反転させ太刀を返した。切っ先はズブリと鈍い感触を伝え、振り切ると一瞬遅れて血が噴き出す。
見た目より遥かに深い傷は、致命傷となるのに十分で、なおも毛を逆立てて相手を射殺そうとした獰猛な姿のまま、静かに事切れた。

次に訪れるのは静寂。
風に揺れる木々や、遠くからの水のせせらぎ、小さな小さな虫の気配だけがその場に満ち始める。

「終わり・・・かな」

キンッと太刀を収めると、張りつめていた緊張を解き、たった今その生命を終えた気高き獣に向き直る。
必要なのは牙と毛皮。これは自らの装備や武器になり得るもので、腰から短刀を取り出しはぎ取りを始める。
良く言えば、人に害なす獣からの戦利品。
悪く言えば、人間の驕り、略奪だ。
それでも自分は、ハンターという職に身を置く限り、依頼があれば狩りをしなければならない。
空を見上げると、夕刻が迫っていた。

「帰ろう」

新しい村へ。


「おーい蓮―」

ようやく村に帰りついた頃、既に日は暮れ、通路には松明が焚かれていた。
そんな中、遠くで男を呼ぶ声が聞こえる。
蓮、と呼ばれた男は、ゆっくりと目的の場所まで続く階段を上り、自分を呼んだ青年を目に捉える。

「社さん。受け付けご苦労さまです」

この社という男は、ハンターが依頼を受ける集会所の受け付けをしている。どうやら今日の依頼は終了したようで、蓮の帰りを待っていた。

「ああ。お前もクエストお疲れ。その様子じゃ余裕だったか?」
「どうでしょうね。流石に4頭同時に突っ込まれた時は焦りましたが」
「普通はそこで大怪我の一つ二つするもんなんだよ。ったく。まぁ、紹介するこっちとしては、お前くらい腕がたつ方が安心だけどさ」
「それはどうも」

毎回無傷の蓮を他の者が見れば、そこまで大変な仕事ではないと勘違いする輩も出てくる。そうやってイキがった腕自慢が、何人も力尽きて帰ってくるのを社は知っている。全ては蓮の実力の成せる技であって、見た目で難易度を測るなんて愚の骨頂だ。

「ところで、ちゃんと飯食ってんのか?」

貴重な人材である蓮のサポートを任されている社は、日頃から気になっていたことを聞く。
村には食堂なんてものはなく、食材は簡単に手に入るものの自炊が当たり前。村から支給されている家はあるが、おおよそキッチンを使う素振りを見たことがなかったからだ。
ところが・・・。

「ちゃんと食べてますよ。携帯食料」

まともな答えを期待していたわけではないが、それにしても想像以上に杜撰な食生活が一言で明らかになった。

「あーのーなー・・・。あのクエスト先のキャンプに置いてあるやつだろ!?恐ろしく腹持ちの悪い保存食なんて飯って言うか!」

社がここまで食事に口を出すのには訳があった。食事如何で、体力やスタミナが大きく変動するからだ。食べるものによっては、特殊な効果が付与されるものもある。
ようするに、依頼の達成率、果ては生還率にまで直結している問題だった。

「そうは言われましても・・・」

蓮としては「ちゃんと依頼も達成して帰ってきたんだから良いじゃないか」と思う節もあり、心から悪びれている風ではない。
そんな蓮に、社は怒るかと思ったが、ニンマリとした笑顔を浮かべて一枚の紙を取り出す。

「まぁ良い、これ伝言な。『明日朝一番にオトモ小屋に行け。By村長』だそうだ」
「はぁ?」
「言っとくけど、あの村長から直々の命令だからな?すっぽかしたらどうなることか・・・」

どんな惨事が待っているか・・・社はガクガクブルブル震えだす。

「わ、分かりましたよ。朝行きますよ。行くだけですよね」

世界の終わりのような反応を示す社を宥るため、とりあえずは言われた通りにしようとする蓮だったが、シメタ!とばかりに社の目が光る。

「ふっふ~ん。お前、オトモ雇ったことなかったよな?」
「ええ、必要ありませんから」
「じゃ、準備しとけよ」
「・・・何をです・・・」
「馬鹿だなー。察しの悪い男は嫌われるぞ?」
「結構です。言っときますけど、オトモなんて足手まとい雇いませんからね」

蓮はそうきっぱりと言い捨てると、社に背を向け集会所を後にする。
全く、冗談じゃない。
蓮の足は、クエストでの疲労より、明日の予定を思って重くなっていった。



オトモとは。
雇い主と行動を共にし狩猟生活をサポートする、ハンターにとっては極めて重要な存在。
だが、蓮にとってオトモは必要なかった。単独で動いた方が気楽で、煩わしくもない。何より一人で依頼をこなせる実力が、オトモへの興味を無くさせた。
そして今。
強制的な村長からの通達により、蓮はオトモ小屋の前にいた。小屋、と言っても、その広さは蓮の家より遥かに大きく、小綺麗にされた庭や畑、手入れのいき届いた外観など、どこかの宿泊施設のようだった。

「ここか・・・」

蓮は軽い頭痛を覚えながらも、その扉を開いた。

「あら、いらっしゃ~い。あなたが蓮ちゃん?」

迎えてくれたのは小柄な女性だった。華やかな衣装に、緩くアップした髪など、女性代表のような出で立ちで、殺伐とした蓮の生活には慣れあうことのない種類の人間だった。

「はい、村長からここに来るよう言われたんですが・・・」
「ふふ、ダーリンが言った通りの男前で安心したわ。腕の方も噂で聞いてるから、あの子を任せても大丈夫そうね」

村長をダーリンと呼ぶ当たりに疑問を感じなくもないが、何より若干会話が噛み合っていないような気がするのが落ち着かない。

「あの・・・?」
「あれ、もしかして聞いてない?蓮ちゃんにオトモを一人紹介してくれって言われてたんだけど」

やっぱりそうかと、溜息を一つに蓮は口を開く。

「生憎、俺はオトモなんて雇いません。村長が何と仰ったのか分かりませんが、今日はお断りに・・・」
「テンさぁ~ん、私やっぱり無理ですぅ~・・・わわっ!?」

ソレは奥の部屋から転がり出てきた。
泣きそうな目をした、年端もいかない少女。それが蓮の印象だった。
裾の長い衣装を自分で踏んだようで、床にへたり込んだ声の主は、蓮と目が合うとビクリと体を震わせた。
たっぷり数秒は見つめあっただろうか。
蓮が何も言えないでいると、床の少女は躊躇いの見える潤んだ瞳で、それでも意を決して小さく声を出す。

「あなたが・・・ご主人様・・・?」



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