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心の鏡

ご無沙汰しておりました、珠々です。

前回の宣言通り引っ越しを敢行致しました。
詳しくは身バレになっちゃうので割愛しますが、引っ越しの日までに新しい家の修繕が終わってなくて、でも住んでたとこは新しく入る人が決まったとかで否が応にも出ないといけなくて。
しばらく旦那の実家に身を寄せながらちょっとずつ片付け、ようやく先週から何とか生活が出来るようになった次第でした。
もークタクタ。
もーーー。もーーーー。
ほんと、色々ありました。
世の中色んな人がいるもんだ。。

そんなこんなでHPMP共に赤ゲージでしたが、ちょびっと回復し始めたので浮上して参りました。

あ、もうすぐコミックス新刊発売ですね!今回はなんと初回限定盤にドラマCDがついてきますよ!
ふふ、実は引っ越しの関係でバタバタしてたので、予約は諸々確定してから新しい住所にしーようっとか思ってたら、いつの間にかAma◯onで予約終了になってて、書店への予約期限も過ぎてて。
あ、これ詰んだんじゃ(´;ω;`)
って軽く絶望しながらダメ元で近所の本屋さんに駆け込んだら……

「取り寄せ可能ですよ(*´-`)」

とのお返事が!!!
神よ!!!

ということで、何とか無事にゲット出来そうであります。
良かった、諦めなくて。
と言うか、もすこし早めに予約しとけば良かったんですよね。
自分のうっかりから危うくスキビスキー歓喜の波に乗り遅れるところでした。
ふぅ。

そんな訳で。
筆が遠退いてたのもあり、あまり甘さのないお話ではありますが、短編の更新となります。
続きよりどうぞー。











「一生懸命働く男の人って、つい目で追っちゃいますー」
「あ、分かるー!カメラさんとか音声さんとか、『仕事してるぞ』って感じが魅力的ですよねー」
「腕の筋肉とか見ちゃうよね」
「仕事で共演させてもらってる人も、やっぱり気になるかなー」
「下手すると家族より一緒にいる時間長いもんね」

たまたま流れていたバラエティー番組から聞こえてきた女性陣の会話。
確かモデルやタレントが司会の男から振られた話に応えていたはずで。
業種は違えど、カメラに映される仕事をしている彼女達の言葉はそれなりに説得力があった。

じゃあ、あの娘はどうなのだろう?

自然と脳裏に浮かんでしまう、想い人。
幸いにも、共演していれば観察する機会も多かった。




『お邪魔しまーす』

作られたセットの内観で、最上さんが玄関をくぐる。

『いらっしゃい』

出迎えるのはこの家の次男。
二人は高校の同級生で、恋人同士だった。

『ゲームでもしようか?』
『やってみたい!……でも、私下手だよ?』
『良いよ、教えてあげるから』

付き合いたての、初々しいワンシーン。
役柄通り、お互いがお互いに好意をもっているのが伝わってくる。
クスクスと微笑みあい、頬を染める仕草など、本当に演技なのかと思うほど自然なもので。
見ている者を引き込む空気が出来上がっていた。

「はいカットー!良かったよ二人ともー!」

いつの間にかこのシーンの終わりになっていたようで、監督のカットの声がかかった。
セット内の二人も、ホッと一安心したようで、オフの顔になる。
「お疲れ様」「お疲れ様です」と軽い言葉を交わしている間、最上さんの瞳に先程までの恋情は微塵も浮かんでいなかった。
それに妙に安心してしまって、コッソリ心で苦笑する。

(余裕、ないな……)

当たり前だ。
彼女の事に関して、余裕なんてあるはずない。
殻が剥けるように役者としての実力を開花させ、今や売れっ子と言っても過言ではない最上さん。
露出が増えるにつれ、彼女の魅力に気付く者も増え、好意を募らせる男も出てきた。
それだけに、最上さん自身が相手をどう思っているか、気にならないはずもなく、つい目で追いかけてしまう。
ましてや今回、目の前で違う男と睦み合う様を見なければならないのだから、仕事とは言え心中穏やかでいるにも限界がある。
案の定、恋人役の男が親しげに話しかけた。
確かアイドルグループの一人で、俳優業もこなす多才な若手だったか。
会話内容は分からないが、最上さんもニコニコと楽しそうに話している。
そこへ、最上さんの友人役である女の子が二人に割って入った。
最上さんにあたりの強い態度が多い彼女は、恋人役の男と仲良くしている最上さんが気に入らないのだろう。
雰囲気から邪険な物言いをされているだろうに、最上さんはなぜか彼女に飴を差し出した。
一瞬口をつぐんで目を丸くしている彼女に、最上さんは喉に手を当てる仕草をする。
やりとりを聞いた男が驚いている所を見ると、周りに気付かせなかったが喉の調子が良くなかったようだ。
彼女は気まずそうに礼を言いながら飴を受け取る。

(最上さんらしい……)

共演者にもよく目を向け、さりげなく動きそれを悟らせない。
本当に気が利く娘だと思う。
自分に向けられる負の感情さえ、いつの間にかひっくるめて味方にしてしまうのだから。

そうして場を後にした最上さんはスタジオ端へはけようとしたのか、正にそこで控えていた俺とバッチリ目が合った。

(あ、しまった)

俺を見つけるなり「敦賀さん!」と駆け寄ってくる最上さん。
コッソリ様子を伺うつもりだったのに、早々に見つかってしまった。

「おはようございます!いついらしてたんですか?」
「おはよう。今来た所だよ」

分かってる。いつぞや挨拶の大切さを強引に叩き込んだのだから、事務所の先輩に対する礼儀としてすぐさま駆け付けてくれたのだと。
そうでなければ、ニコニコと屈託のない笑顔でいの一番に来てくれたのは、もしかして少しでも好意を抱いてくれているのでは、と、勘違いしそうになる。

(そんなはずはないけど……)

何にせよ、久しぶりに最上さんと会えた事が嬉しい。
ところが、一言二言交わした所でスタッフからお呼びがかかった。
どうやら、次のシーン撮りを予定していた役者が渋滞で遅れているそうで、俺が演るシーンを先に撮りたいのだと。
そこで返事を渋る訳にもいかず、残念な気持ちはひた隠して了承した。

「いってらっしゃいませ」

フワリと君が笑ってくれたから

「うん、いってきます」

最愛の妻に送るような甘さを滲ませて、踵を返した。

その後も、一緒の現場にいる間、不自然にならないよう最上さんを目で追うのだが。


(……また………?)


不思議と、よく目が合うのは

気のせいだろうか。






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