はっぴぃはろうぃん?


ご無沙汰しております、珠々です。

更新から少し足が遠ざかってしまいました。
もー。
10月どこ行った!
毎週末何かしらのイベントがあり、全然休んだ気もしないしゆっくり出来る暇もなく。
仕事は仕事でマシンの入れ替えでアタフタアタフタ……なぜ他の人のまでせねばならぬっ。

で。
連載が中途半端で止まってますが、次にはアップしたいと思います。
拍手やコメントも本当にありがとうございます!
毎度言ってますが、やはり反応頂けるからこそ創作の源になります。
感謝感謝です。

そして今回は思い切り遅刻しましたがハロウィンなお話を。
しかも、久しぶりのヒール兄妹でやってみました。(ハロウィン似合うよね?って思って)
この時期まだヒール兄妹誕生してないはずなんですが、そこはifな創作話なので生暖かくお見守りくださいペコペコ

では、続きよりどうぞー。











「こちらどうぞ~」

店先に出ていた女性が、道行く人々に何かを渡す。
腕に抱えた籠から渡されるのは、小さなお菓子の詰め合わせ。
相手を見ずに捌かれるソレは、似つかわしくない男の手にも自然と渡された。

「…………」





眠らない街、東京。

ただ、その日はいつもより更に賑やかで。

人々の喧騒が、笑い声が、多種多様な姿形が溢れて溢れて、まるで違う世界に来たようだった。

「セツ」
「なぁに兄さん」
「このバカ騒ぎは何だ」

今日は10月31日。

「ハロウィンみたいね」
「あれは小さな子供がやるイベントじゃなかったか」

視界に飛び込んでくるのは仮装した大人ばかり。

「そうね。ちゃんとした意味をわかってる人なんてあまりいないだろうけど」

楽しそうに笑う人々を無感動に眺めながら、そういえばテレビのコメンテーターが言っていたかしらと思い出す。

「ハメを外したい日本人が多いらしいわ」

肌寒くなってきた風に身震いすると、セツカはスルリと兄に寄り添い腕を絡めた。

「ふふ、兄さんあったかぁい」
「お前はもう少し肌を隠せ」
「えー?でも、コレ可愛くない?」

首を傾げて自分の格好をアピールするセツカ。
そんな妹を、溜め息混じりにカインは抱き寄せる。
ここに村雨あたりが居ようものなら「兄妹でイチャイチャするな!」と喚いたかもしれないが、幸い二人の世界を邪魔する者はいなかった。

「俺以外の男に晒してやる必要はないだろう」
「可愛い妹がそんなに心配?」
「あぁ、心配だな。今日だって騒ぎに紛れて可愛いセツが拐われないか気が気じゃない」
「あら、じゃあずっとこうしててくれたら安心ね」

クスクスと言葉遊びを楽しみ、与えられる温もりを思い切り享受する。

今だけの偽りの関係だとしても。
この場にいるのは、お互いを求め合う兄妹なのだから。

「……でも、この中にいるとアタシも兄さんも違和感ないわね」

セツカは辺りを見回し、次いで兄を見上げた。
普段は遠巻きに見られる二人も、仮装の中に紛れてしまえば只の人。
むしろ大人しい部類かもしれない。

「いつか見かけたマフラーも買っておけば良かったかしら。ケルベロスってハロウィンにピッタリじゃない?」
「そうすればセツに寒い思いをさせずに済んだな。失敗した」
「んもう、あれは兄さんのよ?」

相変わらずの溺愛っぷりに、苦笑しながらも愛おしさが込み上げる。
なんて幸せな妹だろう。

そうして騒がしい笑い声の中、ふと気付くとそこかしこで「トリックオアトリート」のフレーズが聞こえてきた。

(まぁ、ハロウィンでこれは決まり文句よね)

それなら、乗ってみても良いじゃない?

「……ねぇ兄さん」

ニッコリと、ねだるように、甘えるように。

「Trick or Treat?」

どう返してくれるだろう?
お菓子を買ってきてくれる?
スイーツでも食べさせてくれる?
セツカは目を輝かせて兄の反応を待った。
だが、カインはしばし考えて。

「no way (イヤだ)」

断った。

「へ?」

まさかの返事にセツカは焦る。
おねだりには全力で可愛がってくれるのにどうしたのかと見上げると、兄は口角をあげて意地悪な笑みを浮かべた。

「『お菓子をくれなきゃイタズラするぞ』ってことは、貰えなかったセツは俺にどんなイタズラをしてくれるんだ?」
「え、えぇっ!?」

そんな逆説的な返しが来るとは思いもよらず、セツカは必死に何をすれば悩んでいると。
クツクツと喉を鳴らして頭上の兄が笑った。

「冗談だ。今はこんなものしか無いが許せ」

カインはそう言うと、ポケットから小さな包みを取り出す。

「飴?」
「さっき貰ったんだ」

すると、カインはおもむろに包みを破り、ピンク色の飴玉を自らの口に放り込んだ。

「ちょ、兄さ……」

てっきりくれるかと思った飴を目で追いかけると、長い前髪から覗く瞳がやけに愉しそうに煌めいて。
嫌な予感がした。

「ん……!!」

グイッ。
腰と後頭部に回された手が逃げることを許さず、流れるような動作で唇を塞がれる。

(んなっーーー!!!)

パニックで硬直したセツカの唇をカインは舌で抉じ開けると、更にナカへ侵入してきた。
途端に、コロリとした固い感触と甘酸っぱい味が広がる。
ようやく身体が解放されると、何が起こったのかじんわりと状況が理解出来てきた。

「……ぁ…………あ、め?」

茫然と。
目の前の極悪人を見ると、綺麗な顔でニヤリと嗤った。

「不満か?」

余裕そうな笑みに、宣戦布告を叩き付けられた気がして。

「……不満も不満よ。アタシがたかが飴玉一つで満足するとでも?」

抜けそうな腰を根性で支えた。

「いいや、そう言うと思った。何でも好きなものを買ってやるから言え」
「……後悔しないでよ?」
「愚問だな」

セツカは兄の返事にニンマリ笑うと、携帯で何かを検索しだす。

「食べてみたいスイーツがあったのよね。兄さんも一緒に食べるのよ?」

きっとこの先。
何度だって振り回されるんだから。
たまには意趣返しさせてくださいね?

「金魚鉢パフェ」
「待て、金魚鉢って何だ」
「さぁ?」

素敵な夜を過ごしましょう。
Happy Halloween!





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