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正しい召喚のススメ 26


ゴールデンウィークあけましたねこんにちは。
わりと今回は遊び倒した感があり、全然疲れが抜けません。
もう年かなー。

夏の気配もするこの頃では、セミも鳴き始めましたよ。
流石にちょっとクーラーつけてやろうとしたのに。

壊れてましたよorz

2年で壊れるって酷い。
でも多分原因はヤモリ。。
仙台で買ったエアコンをこっちに持ってきたので、沖縄のクーラー標準装備のヤモリガードがついてないんですよね。
入っちゃったのかなー。
保証が残ってたのが不幸中の幸いでした。
はよ直っておいで。

さてさて。
いつも拍手やコメントありがとうございます!
やっぱり反応頂けると嬉しいし励みになるんです。
特にこんな辺境までお越しくださること自体ありがたいというか。
重ね重ね本当にありがとうございます。

もう少しだけ、連載更新にお付き合いくださいませ。
では、続きよりどうぞー。














あかい

赤い

いのちのいろ。



「…………な……ん……」

吸い込まれるように闇色の刃が身体を貫き、容赦なく命が流れ出る。
膝から崩れ落ち、地面に伏したのは。

「最上さん……!!」

キョーコだった。

「もがみさん……どうして……っ!」

力なく倒れたキョーコを、蓮は抱き上げる。
その間も穿たれた傷から血は流れ続け、蓮の身体も濡らしていく。
凶器である闇色の刃はキョーコの胸に埋まったまま、無理に引き抜くことも出来ない。

「あ……わた、し……?」

消えてしまいそうな微かな声が蓮の耳に届くと、キョーコは瞼を震わせてかろうじて開いた瞳を蓮に向ける。
傷が痛まないはずもないのに、そんな素振り一つ見せずキョーコは穏やかに微笑んだ。

「……よか、った……つるがさんを……きずつけなくて……」
「そんなこと……」
「すみませ……じぶんが、じぶんじゃなくなって……つるがさんに、剣をむける……じぶんをとめなきゃって……」

振り絞る言葉の合間に、ヒューヒューと空気の漏れるような呼吸音。
あははと申し訳なさそうに笑うキョーコの身体の下には血が溜まっていく。

「ご、めん、なさい……ごめ……」

何度も何度も、謝罪の言葉を繰り返すキョーコ。
抱き止めた身体から、徐々に、温もりが消える。

「もういいっ……喋らないで」

ダメだ。

「わたし……ひどいことを……」
「最上さん、大丈夫。君は何も悪くない。すぐに傷もすぐに治すから」

どうやって治す。破壊しか出来ない悪魔の手は、傷を癒すことも出来ない。

「……つるが……さん」

いなく、なる……?
最上さんが……?

「最上さん……俺を見て……!」

必死に意識を繋ぎ止めようと、蓮はキョーコを強く抱きしめる。

「ごめん、なさい……」
「ダメだ、最上さん……頼むっ」



「つるがさんのこえ……きこえなくて……」



「……っ!」

声すら、届かない。

「つるがさん……」
「もがみさん……」
「ありが……と……」

おいていかないで。

「も、がみさ……」

キョーコちゃん。







急速に小さくなる少女の魂の気配。
ピクリとも動かなくなった身体を大事そうに抱き締め直すと、キョーコを貫く無粋な刃を引き抜き消滅させる。その際、傷口を凍らせてこれ以上の出血を防ぐ。
もう、必要のない処置だろうが、蓮にとってキョーコの一部ともなる血を一滴も溢れさせたくなかった。
キョーコを抱いたまま立ち上がると、踵を返し歩き出す。

「蓮」

ふと、よく知った気配が闇から現れた。

「……魔王様」

いつになく厳しい顔付きの魔王からは、一般の悪魔であれば息をするのも難しいだろう重圧感が発せられている。
だが、対峙している蓮は無表情に魔王を一瞥すると、再び背を向けて歩き出した。

「どこに行くつもりだ?」
「……? どこって、家ですよ」

心底不思議そうに、蓮は足を止め問い掛けに答える。

「最上くんは……」
「えぇ、可哀想にこんなに汚れて。早く綺麗にしてあげないと」
「……蓮……?」
「年頃の女の子ですから恥ずかしがるでしょうが、ちゃんとシャワーで流して……」
「…………」
「食事の準備も必要ですね」
「……おい」
「ずっと、この娘の側にいて……」
「~~っの、大馬鹿野郎が!」

甲斐甲斐しくキョーコの世話をするという蓮の、まるで夢の中にいるような語り口に、堪り兼ねた魔王は思いきり蓮の顔を殴った。
甘んじて殴られた蓮は、それすらどうでも良いと言わんばかりに何の反応も返さない。

「腑抜けるのも大概にしろ!」

怒気を孕んだ喝に、ようやく蓮は魔王を直視し、ややあって口を開いた。

「……じゃあ、俺を殺してくれますか」

生気の失せた瞳で、死を望む。

「最上さんのいない世界なんて……生きている意味もない」

ただそこにあるだけの、抜け殻のようだった。
他人に興味を示さず、類い稀なる魔力と容姿から、求められることばかりいた蓮が、命を賭せるだけの相手に巡り会えた。
それは幸運に違いなく、喪失の痛みで壊れてしまいそうな悲痛な叫びは、魔王自身誰よりも理解出来た。

「……そうしてやっても良いがな」

だが。

「その前に、最上くんをこちらへ渡して貰おうか」

そろそろ、現実に目を向ける時だ。

「……何故です」

蓮に、幽鬼の如き剣呑な灯が宿る。







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