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正しい召喚のススメ 14

さっむいですね……!!!
大寒波襲来ですか、冬将軍が本気を出したんですか。
我が家でもさすがに朝晩はヒーターのお世話になっておりましたが、ついに灯油の在庫がなくなりました・・・
節約しながら使ってますが、新しく買い足すのも憚られるんですよね。
実は明日くらいからこちらはまた温かくなりそうで、明後日なんて最高気温25度ですよ。
体調崩しますよ逆に。

あ、そうだそうだ本誌読みましたよ!
キョコたん尊い……噂に違わぬ尊さでもうぎゅっとしてやりたくなりました。
思わずぎゅっとしたかもしれない本誌を。
最近創作脳がイイ感じに活動してくれてるので、連載以外でもちょっと書いてみたのがあるので、また落ち着いたらそちらもアップします。

久しぶりの更新にも関わらず、ご訪問してくださる方、拍手までしてくださる方
ありがとうございます。
しばらくは頑張って更新続けますね!


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正しい召喚のススメ 目次
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正しい召喚のススメ 1
正しい召喚のススメ 2
正しい召喚のススメ 3
正しい召喚のススメ 4
正しい召喚のススメ 5
正しい召喚のススメ 6
正しい召喚のススメ 7
正しい召喚のススメ 8
正しい召喚のススメ 9
9のイメージイラスト (桃色無印のきゅ。様から頂き物。素敵すぎて涙出ます)
正しい召喚のススメ 10
正しい召喚のススメ 閑話
正しい召喚のススメ 11
正しい召喚のススメ 12
正しい召喚のススメ 13

――――――――――――
――――――――――――



14は続きからどうぞ。















突然燃え消えた紙の残骸を見つめ、何が起こったのかと原因の男を見るキョーコ。

「敦賀さん……?」

漆黒を覗き込むと、感情が全く感じられない冷たさにゾクリと背中が震えた。

「……っ」
「……あ。ごめん、最上さん。いきなり燃やすなんてビックリさせたね」

何かに気付いたように蓮はそう言うと、申し訳なさそうに笑顔を見せる。
穏やかな雰囲気はいつもの蓮だった。

「い、いえっ」

つられるようにキョーコもぎこちない笑顔を返す。
無意識に息を止めていたようで、この数秒で体がグッタリと重くなった気がした。

「魔王様はなんだって?」
「何でもありませんよ」

明らかに態度の変わった蓮へ、社は努めて冷静に問う。あそこまで不機嫌になったのだ、何か都合の悪いことが書かれていたのだろうと予測は出来るが、今それを言うつもりはないらしい。

「な、何か緊急のお知らせですか?」

二人のやりとりを聞きながら、キョーコはおずおずと伺った。

「大したことじゃないから、最上さんは気にしないで?」

ふんわりと優しく笑ってくれる蓮だったが、これ以上聞いてはいけない線引きをされた気がして、キョーコは言葉を発せずにコクリと頷く。

「……じゃあ、私、お夕飯の準備しますね。社さんも召し上がっていきますか?」
「え、良いの?」
「もちろん!あ、苦手なものがあったら言ってくださいね」
「ないない、何でも食べるよ。ありがとう、嬉しいなー」
「あはは、そうですか。食べてくれる人がいると気合いが入りますね!」

袖を捲り、元気にキッチンへ消えていったキョーコ。
その様子を見送ると、蓮と社は和やかな雰囲気を一転させた。

「で?」
「……あの人の親切心ですかね。『大事なものほど失う』と」

主語はなくとも、社の聞きたいことは一つ。それに対し蓮も短く答える。

「反魔王派が動き出したってことかな」
「そうみたいですね」

いつの世も、どんな世界でも、統治する者がいれば異を唱える者が現れる。話し合いで解決出来るならまだ良い。しかし、力尽くで思い通りにさせる物騒な連中が多いのが事実。
闇に紛れて、狡猾に、獰猛に、喉元に喰らいつく。
狙われる方も勿論好きにさせる程優しくはないが、ここで予想外なのが不確定要素の出現だった。

「なんでキョーコちゃんに教えてあげないんだよ」

蓮のあっさりとした反応に、社は眉値を寄せる。

「魔王様がわざわざキョーコちゃんに手紙を託したって意味を考えたら分かるだろ。お前が狙われるついでにってレベルじゃない。危険があるかもしれないと伝えるべきだ」
「以前も言いましたが、あの娘には何も伝えるつもりはありません」
「蓮……」
「俺が守ります」

有無を言わせない、強い、強い言葉。

「怖いと思うことも、その欠片すら感じさせたくないんです」

あらゆる危険も、不穏分子も、あの娘の前に存在させたくないのだと。
それに、と、少し言葉を置いて暗く微笑む。

「彼女を危険にさらすような輩に、情けは無用でしょう?」

――――息をさせるのも惜しい。

冥闇の瞳が物語っていた。

「……まぁ、お前がそう判断したんなら口出しはしないさ」

社は溜め息を吐きながら、話は終わりとばかりに手をあげる。
張り詰めた空気が霧散すると同時に、キョーコの向かった先から鼻腔をくすぐる香りが広がってきた。
本来なら生命維持に「食事」は必要のない悪魔の二人だが、不思議とキョーコの作る物は美味しいと思えたし、満足感が得られた。
パタパタとした足音が、慌ただしい準備の気配を感じさせ、蓮の足は自然とキッチンへ向かう。

「最上さん、何か手伝うことはあるかな」
「ありがとうございます。じゃあ……」

邪魔をすると後がとても怖いので、社は大人しく待つことにした。









月も傾く夜半過ぎ。
キョーコの家の周りで、蠢く闇の影をいくつか葬り去った頃。
突然と言うのか予想通りと言うのか。
蓮は特に驚くでもなく、降り立った人物に向き直る。

「よぉ」

ニヤリと口角を上げ、軽い調子で蓮に歩み寄るも、醸し出すは貫禄、威厳。
華美な衣装や装飾は無くとも、これが誰なのか魔界で知らぬ者はいなかった。

「……魔王様、どういうつもりですか」
「なんだよ、久しぶりに会ったのにツレねぇなぁ」
「貴方がそれで寂しがる人ですか」

蓮も蓮で、魔王相手に傅きもしない。

「彼女は?」
「今頃は夢の中でしょう」
「この時間じゃあそうだな。添い寝はしてやらんのか?」
「……出来るわけないでしょう。彼女は俺にそんなこと求めてないんですから」
「あぁ、オトモダチの関係ってやつか。また難儀な契約をしたもんだ」

カラカラと他人事のように魔王が笑う。実際に他人事なのだが、からかいの色を含んだソレを蓮が面白くないと思ってしまうのは仕方なかった。

「あの娘、良い子だなぁ。純粋が服着たらああなるんじゃないか」
「俺の主人ですからね」
「そして美味いんだろう?」

否定の言葉は出るはずもなく。
思い出されるのは昨夜味わったキョーコの魂だった。
どんな美酒も敵わない、とろけるような、甘さ。
蓮は思考を閉じ、拳を握りしめて冷たい空気を吸い込み、何とか自身の欲望を押し込める。

(あぁ……ダメだ。これ以上無理はさせられないのに)


貪りたい。


「…………はぁ……」

深い溜め息と共に眉間に寄ったシワが、蓮の我慢の程を知らしめる。髪をかきあげ目の前の男を睨むと、魔王は殊更に愉しそうな顔を見せた。

「若いねぇ」
「貴方に言われたくないです」
「しかしあんな極上の素材、腹を空かせた奴らの餌にしかならない。よく今まで喰われずにいたもんだ」
「……何が言いたいんです?」

途端、二人を取り巻く空気が変わる。

「彼女が狙われてる」

冷たい風が凪いだ。

「ちょっと考えれば分かる。あの娘の稀有な力、側にいるだけで魔力の増幅を感じるんだ。内に抱え込めばこんな秘密兵器はない」
「貴方を、玉座から引き摺り下ろしたい連中の仕業でしょう?」

蓮の剣呑な瞳が、『さっさと始末しろ』と言外に語る。ピリピリと痛い程のプレッシャーが魔王に向けられた。

「おいおい、俺に八つ当たりするなよ。そうだ、最上くんが希望するなら、うちで匿っても良いんだが?」
「それであの手紙なわけですか」

キョーコ自身の置かれた状況と、未だ本人の自覚がない能力。蓮か社に事態を説明させ恐怖を煽ってやれば、安全な場所だと、守ってやると甘い言葉で、魔王の懐へ誘導出来るはずだったのだろう。

「最上さんを手元におけば、地位を磐石に出来ると?」

たかだか覇権争いに、彼女を巻き込めと言うのか。

冗談じゃない。

蓮は苛立ちのままに、絶縁の言葉を告げようとした。だが、魔王は少し空気を和らげてかぶりを振る。

「いや、俺としてもそのつもりは無かったんだが」

蓮が思うような、打算的な考えではないのだと魔王は苦笑した。

「? ではどうして?」
「んー。まぁあれだ、『情けは人の為ならず』ってヤツだ」

気にするなと、答えになっていない答えに蓮の疑問が更に深まった所へ、話題転換とばかりに腕を組み人の悪い笑みを浮かべる。

「それより社から報告があったんだが、しばらくオアズケしなきゃならんらしいな」
「……さっき分かっていて煽ったでしょう」
「せいぜい、こよりのような理性が切れない事を祈っといてやる」

言いたいことは済んだとばかりに、手をあげ魔王は踵を返した。
蓮も同じく背を向け、キョーコが眠る小さな家に帰ろうと歩みを始める。
魔王の気配が消える寸前、おせっかいな台詞が飛んで来た。

「適当な人間見繕ってやろうか? 」
「余計なお世話です」

蓮が即答すると魔界の王は嗤いながら、今度こそ隔たりの向こうへ消えていった。

「俺が欲しいのは……」

愛しい娘の笑顔が浮かぶ。

他の誰かなんて、触れたくもない。






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