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恋とは我儘になるものです

こんにちはー。
もうすぐ今年も終わりますね。激動すぎてなんだかよく分からない間に終わってしまう2013年、皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか。
たくさんのありがとうございますと、そしてこれからもよろしくお願いしますの気持ちを文字に込めます。

そんなこんなで年末の時候にピッタリな12月30日になってしまいましたが、今回の更新はキョコ誕っていう暴挙に出ました。
過ぎてるー!5日も過ぎてるー!
知ってます!
でも「お祝いしたいと思った時が誕生日!」という革命的なお言葉や温かい励ましのお言葉を頂き、なんとか年内にアップする運びに至りました。
修正ばかりで最終的には慌ただしく更新になってしまいましたが、それでも良いよという優しい方は続きよりどうぞー。(あとでもっかい読み直そう←)











ザワザワザワ。

ただでさえ賑わう学校の下校時間。
特に明日から冬休みに入ることもあり、浮き足立つなという方が無理な話で。
クリスマスの華やかな雰囲気も相まってそれはそれは心踊るのも仕方ない。

でも、この状況は前述したどれとも違う騒ぎになっていた。

「やぁ最上さん。遅かったね」

校門前に、今をときめくトップ俳優様が、ご自分の御車乗り付けてお待ちでいらっしゃいました。
キュラリとした笑顔が私に真っ直ぐ突き刺さります。

なんで、ここに、この方がいるんでしょう?








「ごめん……」

滅多に沈む様子を見せない敦賀さんが、珍しく落ち込んで謝罪の言葉を落とす。

「25日……数日前から海外の撮影が入って帰ってこられそうにないんだ」

今でも時々信じられないけど、あの敦賀さんと所謂恋人同士になったのは少し前の話。
そうして迎える初めてのクリスマスで、私の誕生日。
敦賀さんは何としてもオフを取れるよう社さんの協力のもと動いていたんだけど、やはり仕事というのは1人の都合だけでは上手くいかないもの。特に俳優業だけでなく、モデルの仕事も兼任している敦賀さんのスケジュールがそう都合良く開くわけもなかった。

「いいんです!私はこうして少しでも一緒に過ごせるだけで幸せですから、お仕事……行ってきてください?」

正直、寂しくないかと言われれば嘘になる。でも、親が死んでも穴を開けるなとの金言を賜った本人に、それを反故にさせる訳にもいかない。
精一杯気にしていない笑顔を作ってそう告げる。

「ごめん……」

敦賀さんはもう一度謝って、優しくキスをしてくれた。

確か、敦賀さんと会ったのはその日が最後。
それ以来、有難い事だけどお互いに忙しく、唯一取れる手段が電話だけになった。
ただ、仕事柄その電話も自由に出来るわけではなくて、撮影の合間に気付いたら着信が入っていたり、かけ直しても繋がらないなんて日常茶飯事。

でも。

元々過密スケジュールの敦賀さんだから仕方ない……というのは建前で、私が故意的に連絡を控えていた事もあると思う。

声を聞けば、顔が見たくなる。
会いたくなる、温もりに触れたくなる。
どうしようもなく、抱き締められたくなる……。

会えない時間が長くなる程、どんどん溢れる感情を塞き止められる自信がなくなってきたから。
気を緩めたら口をついて出そうな情けない我儘、敦賀さんにこぼす訳にはいかない。
一緒に過ごしたかった誕生日がダメになったからって、どうしてこんなにも弱くなってしまったんだろう。
一人は慣れていたはずなのに、おめでとうと言ってくれる人がいるだけで幸せなことなのに。

私は自分の中の負の感情を何とか抑えながら、年末の忙しさも幸いしてあっと言う間に数週間が過ぎたある日。
些細な事件が起きる。

「ねぇ、アンタが付き合ってんのって敦賀さんでしょ?」
「ももも、モー子さん!?ななななんでとつぜんっ」

唯一、敦賀さんのことを打ち明けていたモー子さんから、事務所で顔を付き合わすなりこんな事を言われた。

「まぁ……その様子じゃ疑いようもないんだけど……コレ、見てみなさいよ」

動揺を体現したらきっと今の私がピッタリだと思う。
一瞬で顔に血が上ったように熱くなったから、端から見れば赤くなってるのかもしれない。モー子さんの呆れっぷりで更にいたたまれなくなったけど、それよりも見せられた携帯電話が私の目を釘付けにした。

「コレって……」

映し出されているのは1枚の画像。
夜の街、繁華街だろう場所で微笑み合う私と……。

「光さん、だっけ?」

モー子さんの問いに、コクリと頷くことで肯定する。

「昨日、きまぐれロックの年内収録が終わってお疲れ様会をスタッフさんと出演者でやった時のだと思うんだけど……」
「そんなとこでしょうね。でも、一緒に投稿されてる内容読んでみなさいよ」

私はあまり詳しくないけど、インターネットで短文を投稿出来るちょっとしたブログのようなものらしい。画像に添えられた一文をスクロールして確認した。

『生の光くんだ!一緒にいるの彼女かな~?』

「!?!?」

それは私のことですか!?
さらに画面の向こうでは会話も成されていて。

『これってちょっと前キュララのCMに出てた子じゃない?』
『黒髪の方?』
『ううん、地味な方』

膝から崩れ落ちそうになる体をなんとか立て直し、助けを請う目でモー子さんを見上げる。
地味な子発言に今更ショックは受けないけど、それどころじゃない。

「名前こそハッキリ出てないけど、人の憶測って怖いもんよね」

他にもいたはずのスタッフさんやブリッジロックのメンバーが見事にフレームアウトしている写真からは、パッと見デートの一コマと言われれば否定する材料もなかった。

「どどどどうしようモー子さん!?」
「どうするもこうするも、特にニュースにもなってないんだから一般人の単なる呟きがちょっと広まってる程度でしょう。それくらいじゃ事務所も対応出来ないし、週刊誌だって情報元が不確かなもの載せないでしょ。こんなのよくあるし」
「そうなの……?」
「私なんてスーパーの特売に飛びつく琴南奏江って全く別人の写真ネットにあげられたことあるんだから!どういうこと!?そんなに私が所帯臭いっていうの!?」
「そんなことないって!モー子さんからはセレブの香りがするもの!」

怒りの沸点を簡単に超えたモー子さんを落ち着かせようと必死に宥める。

「まぁ……画面ごしじゃ一般人には私の高貴さがまだ伝えきれてないってことよね、精進あるのみよ。それよりも問題なのはアンタでしょ」
「へ?」

話の矛先が私に向いた。対処するまでもない小さな出来事だと思って安心したけど、それならわざわざモー子さんが私にするはずない。

「アンタが本当に付き合ってるのは?」
「あ……」
「わざわざ弁解するもの嘘っぽいし、そもそも知らないかもしれないけど、もし聞かれたら~くらいには準備しといたら?」
「そう……だよね」
「こんなことで目くじら立てるような人じゃないだろうけどね」






モー子さん。
忠告ありがとう。
敦賀さんからのいろんな質問パターンを想定してたんだけど、話が出来る雰囲気じゃないみたい。

「……んぅ……はっ……っ」

息継ぎをさせてもらえないくらいの深いキスに、思考が追い付かない。

「ま…って…くださ……」
「ダメ」

あの後。
学校から強制的に拉致されて着いたのは超をつけても良い高級ホテルだった。チェックインは済んでいるのか、駐車場から直接案内された部屋は一番上の階。私なんかが足を踏み入れる事はないと思っていたスイートルーム。一泊の値段なんて想像も出来ない。
それも狙いだったのかもしれない。
私が土足で入っていいのかも躊躇してマゴマゴしていた隙に、エスコートされるままあれよあれよと気が付けばベッドの上にいた。
車内では終始無言だったから、落ち着いて話したいことはたくさんあったのに、声を発する間もなく施された性急なキスに翻弄される。
拘束もされていないのに、毒が回るように、体も頭も溶かされて、まるで力が入らない。

「……ずっと、あいたかった」
「ふぁ……」

突然耳元で響く敦賀さんの声。艶を含んだ甘美な音色に、ゾクリと背筋が震えた。

「会いたかったのは俺だけ……?」

ふと、体の圧迫が軽くなる。
私に覆いかぶさっていた敦賀さんが横に退いてくれたらしく、恐る恐る目を開けると、悪戯っ子のような瞳にかちあった。

「敦賀さん、怒ってます?」
「まさか。愛しい恋人と過ごせるのに怒るだなんて」
「……あの写真は、他にもスタッフさん達がたくさんいたのにあたかも二人きりのように撮られただけなんです」
「本当に?」

敦賀さんの一連の行動がおかしかったのは、やっぱりあの写真をどこかで見たかららしい。
もし逆の立場ならと考えると、モヤモヤするには違いなくて。
私は自分の気持ちを素直に伝えなくてはと一生懸命言葉にする。

「本当です。……私がす、好きなのは……敦賀さんですから」

恋愛歴の浅い私には「好き」と言うだけでも勇気が必要だった。

「うん。知ってる」

あっさり。
こんな擬音が見えた気がする。

「知ってるって……じゃあ疑ったり信じてなかったりした訳じゃないんですか!?」
「もちろん。最上さんは二股出来る程器用じゃないし」

私が二の句を告げられずパクパクしていると、ようやく敦賀さんがいつもの笑顔に戻ってくれた。

「でも、ちゃんと君の口から聞きたかったんだ。ずっと会えなかったし、連絡もなかったしね」
「そ、れ、は……」

あからさまにギクリとしてしまった私が悪かった。
敦賀さんから胡乱気な気配に黒いオーラが漂う。

「……他にも何か隠し事かな?」
「ちっ違います!何も隠してなんかいません!」

必死に言い募るも、どうやら私の意見は却下されたらしい。

「じゃあ体に聞こうか」
「やっ、ちょ……待っ、タイム!タイムお願いします!」

再び押し倒された形になった私は涙目で懇願した。敦賀さんのペースになると、さっきみたいに話が出来なくなるのは目に見えているから。

「……なに?」
「あのですね……その……電話、あんまりしなかったのは……」
「うん」
「敦賀さんの声を聞いてしまうと、会いたくて堪らなくなるというか……。忙しいのに『会いたい』だなんて、迷惑ですよね。お仕事の邪魔になってしまうんじゃないかと……」
「だから控えていたと?」
「……はい」
「困ったな」
「や、やっぱりご迷惑でした……?」
「最上さんが可愛くて仕方ない」
「えぇ!?」
「それに、俺の方が重症かも。もちろん最上さんの声を聞くと会いたくなるし、聞けなかったらもっと会いたくなる。ましてや、俺以外の男に微笑みかけてる所なんて見てしまうと、誰に迷惑かけようがなりふり構ってられなかったし」

そこまで聞いてハッとした。

「敦賀さん、そういえばまだ海外のはずじゃ?」
「そのはずだったんだけどね。俺をたきつけてくれたマネージャーに感謝かな」

どうやら、例の写真を見つけてしまったのは社さんらしい。

「最近忙しかったからなー。遠くのバラより近くの何とか~って言うし、キョーコちゃんとられちゃうんじゃないか?」

なんてからかいのネタにされた所、敦賀さんが「帰ります」と言い出してスケジュールの調整を死にもの狂いでしてくれたそうだ。
社さんのやつれた様子が目に浮かんだけど、それでも今日この日に敦賀さんに会わせてくれてありがとうございますと心で手を合わせた。
改めて、と、敦賀さんが真っ直ぐ私を捕らえる。

「最上さん、誕生日おめでとう。直接言えて良かった」
「ふふ、ありがとうございます」

敦賀さんの腕に抱かれて、フワフワと幸せな気持ちに浸っていると、優しい声音で子守唄の如く意味深な発言をされた。

「……ちょっと騒がしくなるかもしれないけど、責任は取るから」
「え?」

後日。
敦賀蓮、最上キョーコ、車でお迎えデートの目撃情報多数により、事務所から正式に交際発表が成されることになる。














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