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正しい召喚のススメ 9

こんにちはー。

きたる2月10日はスキビ界隈がにぎわう一大イベント。

蓮 誕 ☆

になるわけですが、うちでは特に何も用意出来ず通常運転になります。
某ホテル企画も、いちおネタは考えたんですがオープンには全然間に合わなかったので
このままお蔵入りにするか遅れて参加になるかは未定です(キリ

そして今回も召喚話の続きになるんですが。。

文才プリーズ!


ではどうぞー。











クラリとした。

その甘い芳香。

際限無く求め、自制なんて霞のように消えてしまうから。

無防備すぎる魂は、自らを守る手段も持たず、飢えた獣への極上の糧となる。

負担を強いる事は目に見えて、だからこそ、どうしようもない貪欲な衝動から守るため。

離れるべきだった。







蓮はキョーコの家が見下ろせる小高い丘陵で、欠けた月を仰いでいた。
時折厚い雲が流れ、月を独り占めするように覆い隠す。
だが、雲が同じ場所に留まれるはずもなく、一時すればまた美しく白い月を誰の目にも晒してしまう。
遥かまで続く、終わりのない連鎖。

「眩しい、な……」

夜闇ですら陽の下と変わらない視界で捉える蓮にとって、月光は充分過ぎる光量となる。
眼下にしばらく広がるのは暗い森。
この辺りでは、唯一キョーコの家の灯りが仄かな温もりを感じさせ、俄かに点在する家々は暗いままだった。
既に就寝しているか、そもそも人が住んでいないのか。
後者だとしてもなんら不思議ではない。視線をズラせば、キラキラと宝石のように光る街明かりが遥か遠くに見える。この周囲には食糧どころか生活必需品を調達出来そうな店はなく、暮らすには不便な場所であるのは間違いない。
キョーコはどうしてこんな場所に、と思わなくもないが、蓮にとっては余計な邪魔が入らない最適の立地だった。

やがてスッキリと雲が晴れ、地面に色濃く影が落ちる。
ふと、感じる気配。

「敦賀さん、こんな所にいたんですね」

声を聞く前から分かる、愛しい愛しい存在。

「最上さん」
「お風呂から出たら姿が見えないから、探しました」

キョーコを見ると、髪はしっとりと水気を帯び、寝巻きなのか薄手のワンピースを着ていた。流石に冷えるのだろう、上には厚手のコートを羽織っている。
そのまま自然に蓮の隣へ並び、先程の蓮と同じく空を見上げた。

「今日は、ありがとうございました」

キョーコは思い出すように目を瞑ると、クスクス楽しそうに笑う。

「学校に来てくれた時は、流石にビックリしましたけど」
「……声が、聞こえたからね」
「声?」
「そう。最上さんの声。あんなに可愛い声が聞こえたら、直接会いたくなるのも仕方がないだろう?」
「そ、そういうものなんですか?」
「そういうものなんです」

臆面もない蓮の台詞に、恥ずかしがっている方がオカシイのかもとキョーコは深呼吸して気持ちを落ち着かせた。

「あ、そういえば、明日学校でお菓子作りがあるんです。キングオブ定番のクッキーなんですけど、もしお嫌いじゃなければ持って帰りますよ?」
「本当に?それは嬉しいな。俺のいた世界でも、最近はこっちのお菓子が流行っててね」
「へぇー。魔界の方もお菓子なんて、しかもこちらの世界のものを召し上がる習慣があるんですね」
「食べるようになったのは最近かな。現魔王様が就任して以降、色んな物を取り寄せるようになってね」
「それはアグレッシブな」
「おかげで、随分と食生活や娯楽は変わったかな。ただ彼の場合、流行らせるだけじゃなく流通の確保や需要の把握で経済面もしっかり握ってるみたいだけどね」
「へぇー。まるでやり手の敏腕社長さんみたいですね」
「そうだね。でもその分、敵も多い。隙あらば足元を掬ってやろうと考える輩も多いからね」
「じゃあ気が抜けませんね」
「まぁ、やすやすと負けてやるような人じゃないから安心だけどね」
「あはは、敦賀さんって、魔王様のことお好きなんですね」
「え。」
「負けなくて『安心』だと思ってるってことは、その方が『心配』ってことですよね?」
「うーん……お世話になってる人だからあながち間違いではないだろうけど、俺が好きなのは最上さんだけだよ」
「えぇ!?」
「俺が心配するのも、守りたいと思うのも、抱きしめたいと思うのも、最上さんだけ。なんなら一生閉じ込めたいくらい」

蓮はニコリと微笑みながら素直に気持ちを言葉に乗せる。
すると、面白いくらいキョーコが赤くなり青くなり狼狽えだしたので「ダメ?」と首と傾げおどけると「ダメです!」と即座に返されてしまった。
必死に話題を変えようとしたのか、キョーコは動揺しながら話を切り出す。

「そそそ、そういえば!今日は良いんですか!?」
「ん?」

本日も終わろうとかという時刻において、何かやり残したことでもあっただろうかと蓮が思案していると、キョーコはモジモジと視線を逸らしながら振り絞るように言った。

「た……タマシイ……?」
「あぁ、それは……」
「だって、そういう『契約』ですもんね。敦賀さんはしっかりお友達してくれてますから、代わりに私もちゃんと魂差し出すのが筋ですよね。社さんも、これが敦賀さんには必要って言ってましたし!では、はい、どうぞ!」

目をギュッと瞑って佇むキョーコ。
まさに「いつでもどうぞ」な状態で、無防備を体現させたその様子に。
蓮はキョーコを見下ろしながら。



酷く、心が冷えていくのが分かった。



怖くない訳ではないのだろう。
体を緊張させるキョーコの肩を抱き、ゆっくりと耳元で囁く。


「……そんなに、俺に喰べられたいの?」

「……っ」

ビクリと震え、思わず後ずさろうとしたキョーコだが、逃がすはずもない。
腰と、後ろ髪に手を差し入れ、抱きかかえるように捕らえる。

「イイよ……キモチヨクしてあげる……」
「まっ……」

制止の言葉を聞く前に、キョーコの細く柔らかな首筋へ舌を這わし、味わうように唇で吸った。
何度も何度も、吸い付く度に溢れる甘さが、麻薬のように蓮の全身へ広がる。

「ゃぁ……ぁ…………」

舌先を肌に滑らせると敏感に反応するキョーコに、どうしようもなく煽られて、歯止めが効かない。
満たされていく充足感と、まだ足りないと求める飢餓感がぐちゃぐちゃに混ざり合う。

「ん……ぁ……」

蓮の服をギュッと掴んで、必死に耐えているキョーコの健気さに。
頭がオカシクなりそうだった。

ちぅ

最後に一際強く吸い上げ、痕を遺す。
刹那の独占の証。
紅い鬱血が白い肌に浮かぶ様に、ウットリと嗤った。

躯も心も満たされ、歪んだ感情が凪いでいき、ようやくぼんやりと思考が動き出す。

腕に抱く温かさと柔らかさ。
大事な大事なご主人様。
何を犠牲にしても、守ってあげたい。

そんな娘に、俺はナニをした?

弾かれたようにフラッシュバックする、強欲の所業。

「も、もがみさっ……!」

はっと気付いた時には既に遅く、慌ててキョーコを解放するも、腕の中でグッタリと意識を失っていた。

「ごめん…………」

余程拠り所が必要だったのか、蓮の服を掴んだまま気を失っていたキョーコ。その小さな手をそっとほどいて、苦しくないよう再び抱き締める。

(ごめん…………)

どれだけ詫びても、今のキョーコには届かない。ただ、ゆっくり眠ってくれたらと、いたわるように青白くなった頰を撫でた。

その時。
見計らったように闇色の空気が動く。

「蓮、ヤリ過ぎ」
「…………社さん」

立会人である社が、二人の前に現れた。







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