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正しい召喚のススメ 23


こんにちは、インフルエンザでした。
子供の新学期準備とか、書類の準備とか、記名とかやることいっぱいだったので、寒気がしながら「気のせい気のせい」で押し通したんですが、ダメでした。(でも準備は終わらせた)

熱もキツかったんですが、体の痛みが辛かった!動くのもままならないし痛すぎて眠れないしで。
久しぶりにここまで寝込みました。

そして地震頻発してますね。
被害も段々大きくなっていって……早くライフラインが復旧されますように。
少しでも被害が押さえられますように。
実は実家が近く、家族や友達に連絡をとったところ無事だったのですが、初めての揺れと警報の連発に車に避難したり眠れなかったりしてるみたいで。
このまま地震もおさまってくれれば良いんですが……。

さて、ちょっと元気のない前振りでしたが、普段通りに生活するのも大事ですからね。
召喚の続きになります。
いつもいつも拍手ありがとうございます、本当に励みになります。
もうちょっと、もうちょっとお付き合い頂ければ幸いです……


では、続きよりどうぞー
















物音一つしないキョーコの家で、留守番を任された社は、静かに椅子に腰掛ける。
足を組んで眼鏡をかけ直す様は優雅で、普段は蓮の影に隠れているものの、社も見目麗しい顔立ちに違いなかった。
交渉力やマネジメント力に優れ、いらぬ争いを避けるために立会人のポジションに就いている。それが性にもあっていた。
しかし、言い換えれば裏方業務。魔力もさほど高くないため、表だっての実働型ではなかった。
そんな社が、一人ぼっちで留守番。
心中推して知るべし、だ。

(頼むから何も起こるなよ~……?)


だが、社の切なる願いを嘲笑うかのように静寂は破られた。

――ガチャガチャ

「……!」

蓮によって開かずの扉と化している、キョーコの部屋の扉から解錠を試みる音が響いた。

『あ、あれっ?どうしよう、壊れたのかな』

内側からくぐもったキョーコの声が社に届く。困惑しているだろう声音はいつも通りのキョーコのようで、とても何者かに操られているとは思えなかった。

『つ、つるがさーん……いらっしゃいますかー……?』

コンコン。控え目にノックしながら蓮を呼ぶキョーコに、社は心の中で詫びる。

(ごめん、キョーコちゃん。出してあげられない)

助けはないと分かったのか、ガタンゴトンゴンゴンと、なんとかドアを開けようと努力する音だけが鳴り響く。

『……開かない……っ…………』

その内、キョーコの小さな声とともに鼻をすする切なげな気配が。

(キョーコちゃん、泣いてる……?)

火種のような罪悪感がジワリと大きくなる。

『……ぅっく、……なんで……わたし、寝てたんだろ……開かないし……誰かぁ……』

(……あれ?)

姿の見えないキョーコの、邪気のないすがるような涙声に、社は一縷の希望を見出だす。
もしかして、傀儡が解けた?
恐る恐るドアに近付き、深呼吸して向こう側へ話しかけた。

「……キョーコちゃん?」
『その声、社さんですか?』

パァッと声のトーンを上げながら、安心したからこそまた込み上げてきたのだろう、キョーコは更に声をつまらせて「よかったぁ」と呟く。

「うん。キョーコちゃん、大丈夫……?」
『あ……大丈夫では……あると思うんですが……』

社としては、何か異変がないか確認をしておきたかったのだが、どうにもキョーコの歯切れが悪い。

「何かおかしな所があるの?」
『あの、その……手首に痣があって……』

(手首に痣?)

『……し……』
「……し?」

何だ?

『……し、下着、脱がされてたみたいで……』

……はい?

『か、身体中、痛いしダルいし……足に力が入らなくて……』

キョーコの声が震えだす。

『わたし……どうなっちゃったんですか……?』

ついに張りつめていた緊張が決壊したのか、しゃくりあげる声が混じり、さらにはそれを押し殺そうと耐えているようで。
ここまでくると、社の方が限界だった。
傷付いてる女の子を閉じ込めるなんて鞭打つ真似、これ以上出来なかった。

「~~~~~っキョーコちゃん!!」

勢いよくドアを開けると、パキリと結界が壊れ霧散する。
ようやく晒された部屋、キョーコはドアのすぐ側で踞っており、垣間見える涙の跡に社の心はズキリと痛んだ。
膝をつき、小さな背中をそっと擦る。

「キョーコちゃん……とりあえず何か温かいものでも飲も……」
「社さん」

キョーコの柔らかい腕が、社の首に回される。

「わっ……キョーコちゃ」

ふわりと、甘い香りが漂い、社の視界に霞がかかる。

「あ、れ……?」

オカシイと、思った時には遅かった。
手足は痺れ、身体は鉛のように重く倒れ込む。

「キョ……コ……ちゃん」
「社さん、ありがとうございます」

立ち上がったキョーコは、光の灯らない瞳でニコリと微笑んだ。

(あー……ごめん蓮……俺バカ……)

「はは……きょーこ、ちゃん……演技うますぎ……」

ついに瞼も持ち上がらなくなり、そこで社の意識は途切れた。

社が動かなくなるのを確認すると、キョーコは踵を返し歩き出す。

「……いかなきゃ……」

自分を呼ぶ、声がする。







「レイノ。あの娘、出て来たぞ」
「……こっちに呼んでる」

キョーコ達の通う学校屋上に、悪魔二人が控えていた。

「なんであの娘、すぐ連れて帰らないんだ?そういう命令だっただろ」

レイノに親しげに話すのは、涼しげな目元の長髪の男。

「あの娘をこっちに取り込めば、現魔王派へ攻め込む狼煙になる」

事実、キョーコが近くにいるだけで魔力の増幅を感じるのだから、かなりの戦力強化になるはずだ。確保次第上層部へ引き渡せば、魔王崩御後それなりの地位が約束されていた。

「俺たちはもっと相応しい場所に行くべきだ」

夜風に目を細めながらレイノに同意を求める様は、間もなく悲願が叶うと信じているからこその陶酔。
一方レイノは面倒くさそうに遠くを眺める。その瞳に映すのは目の前の男ではなく、未だここには居ない少女ただ一人。

「興味ない」
「どうしてだ?レイノの力があれば、今のヌルイ世界を変えられる」
「わざわざ縛られる場所になんか座りたくない。行くならミロク、お前だけにしろ」

長い付き合うなのか、ミロクと呼ばれた男はレイノの我関せずな態度を気にした風でもなく、胡乱げに返す。

「その、不干渉なお前がやけにあの娘に執着するじゃないか……何をこだわってる?」

そこで初めてレイノはミロクを見据え、少しの沈黙の後に口を開いた。

「……結界が邪魔をする」

キョーコを覆う、拒絶の結界。

「触れられないのはつまらない」
「あー……」

それはつまり、命令なんか関係なく。

「術者を消せば、結界も消える」

……あの娘を気に入ったってことか。

成る程。これ以上の理由はないとばかりにミロクは口を噤んだ。

「魔王候補の実力者だ、消しておくにこしたことはない。まぁ、自分の主から毒を飲まされるとは思わないよな」
「お前は視てたんだろ」
「あぁ。あの娘、結構演技派で」

ミロクは千里眼の能力があった。距離に限りはあるが、肉眼では捕らえられない遠方を見通せる。主に偵察や諜報で役に立つもので、今回はキョーコに座標を合わせる事で行動を把握していた。
レイノに詳細を話してやろうとした時、ガチャリと屋上入り口のドアが開く。

「キョーコ」

表情のないキョーコが、そこに立っていた。

「…………れいの……わたし、なん、で」

かろうじて聞こえる小さな声は、風の音で簡単に吹き飛んでしまう程微かなもの。
抑揚のない声からキョーコの意思は感じられないが、全身がカタカタと小刻みに震えている。

「あれ、様子がおかしくないか?」
「……傀儡が解けかかってる」

チッと舌打ちをして珍しく不快をあらわにしたレイノは、眉を寄せキョーコへ手を差し出す。

「来い、キョーコ」

今度こそ自我が壊れるよう、重ねて術をかけてやる。
ただ、それで果たして満足なのだろうか。
一瞬、ほんの一瞬、レイノの気が逸れた。
その時。
ふらふらと足を踏み出したキョーコの背後に、影が生まれる。

「行かせない」

蓮が、キョーコを後ろから抱き締めていた。








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コメント

Re: うへへ~

くみ様

いつもコメントありがとうございます!
お言葉を頂けるとやはり励みになりますね。

くみさんのお家もお子さんが賑やかそうで、とても良く分かります(笑)
お察しの通りうちは三姉妹なのでお喋りも達者で同じく騒がしいですが、楽しくやっております。

豚さんは私も大好きですよ!らぶです( ´∀`)

地震についてもお心遣いありがとうございます。
家族や友人には直接被害がなかったようなのですが、いつどこで起きるか分からないのが地震ですからね、お互い気をつけましょうね。

拙作が少しでも楽しい時間の一部になれば幸いです。
またお暇な時にでも覗いてくださいね。
(拍手の方にも改めてお返事しますね!)

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